社会を支える「静脈産業」って知ってる?


メーカーがものを作って消費者の手元に届くまでを「動脈」とした場合、それを捨てて再生または処理されるまでを「静脈産業」と言う。
静脈産業の中で資源の再生を担う業者は、人体に例えるなら血液をろ過して動脈へと戻す腎臓のような役割を果たしている。

今回は静脈産業について解説する。

「静脈産業」って知っている?

飴屋 静脈産業ってちょっと聞きなれないんですけど、何ですか?

新井 産業を人体に例えているんですが、物を作って流通させて消費者に届けるまでを動脈産業といった場合、使い終わったものを回収してリサイクルをする仕事を静脈産業といっています。

静脈産業は大きく分けて回収するセクションと、回収したものを再資源化もしくは焼却するセクションにわかれてます。

飴屋 新井さんがやられてるのは回収ですよね。

新井 そうですね。私は古紙の回収をしています。

回収の中にも2種類ありまして、家庭ごみの回収と企業から出る事業ごみの回収の2つにわかれてますね。

再資源化ってなんですか?

飴屋 再資源化について詳しく教えてください。

新井 再資源化っていうのは資源を静脈産業から動脈産業に戻す作業のことで、つまりリサイクルしています。リサイクルを請け負っている業者はリサイクラー(リサイクル業者)と呼ばれています。

設備によって別れているんですが、紙をリサイクルする業者、鉄をリサイクルする業者、プラスチックをリサイクルする業者などがあります。

それぞれのリサイクラーがリサイクルをして、原料を動脈側に戻しています。

焼却ってどうしているの?

飴屋 もうひとつの焼却について教えてください。

新井 焼却はどうしても再資源化できない、どうにもならないごみを燃やすことで質量を減らして、その燃えがらを最終処分場に埋めます。いわゆる埋め立てごみですね。

家庭ごみの約10%ぐらい、事業ごみ(産業廃棄物)の約1%ぐらいが埋め立てられてます。

リサイクラーは「腎臓」です

飴屋 数パーセントと聞くと少ないふうに感じますが、実際どのぐらい埋め立てごみになってるんですか?

新井 年間にすると1000万トンぐらいですので、まだまだ減らしていかないといけないですね。

Amazonみたいに有名企業が沢山ある動脈産業に比べると、静脈側の情報は皆さんほとんど知らないのが現状です。

出たごみの分だけ動脈側に戻す役割は人体で言えば腎臓みたいな非常に大事な役割をしているので、皆さまにもよく知ってもらって、もっと活用してもらうことが理想かなと思います。

飴屋 私も知れてよかったです。ありがとうございました。