ごみが燃料になる!新燃料「RPF」ってなに?


日本のエネルギー問題とごみ処理問題という2つの大きな課題を一挙に解決するかもしれない「ごみ燃料」RPFについて紹介する。

また意外な課題をクリアできれば、より使いやすい燃料となる点も紹介したい。

RPFって何ですか?

飴屋 RPFについて詳しく教えてください。

新井 固形燃料の1種です。廃棄物から作られているのが特徴で、廃プラや紙ごみ、木くず、繊維くずみたいなものをブレンドして作ります。

大きさは単一電池ぐらいで、ペレット状にした固形燃料ですね。

飴屋 思ったより小さいんですね。RPFってどういうところで使われるんですか?

新井 主に工業用です。例えば製紙業や鉄鋼業で、乾かす工程や蒸気を使う工程があるんですが、乾かすための熱を出したり蒸気を出すためにボイラーを炊きます。

そのボイラーの燃料として石炭の代わりにRPFを使用します。なので特定の産業向けが多いですね。

飴屋 私たちみたいな一般市民が使う機会ってあるんですか?

新井 ちょっとないかもですね。燃やすと黒い煙がぶわって出るんで、バーベキューでは使えないですし、やはり工業用ですね。

RPFは純国産の燃料

飴屋 RPFってどこで作るんですか?

新井 RPF製造業者が作ってます。

飴屋 業者さんが?

新井 そこでいろんな廃棄物を受け入れて作っていますね。純国産のエネルギーと言えます。

飴屋 地産地消の燃料なんですね。

RPFを使う3つのメリット

飴屋 RPFを使うメリットって何がありますか?

新井 大きく三つありまして、ひとつは経済性ですね。

まず、石炭よりも安いので燃料として安価です。

それに加えて、廃棄物を出す側にとっては普通に焼却処理をするより、RPF製造業者に渡した方が処理費が安くなります。

つまり、消費と廃棄の両面でコストメリットがあるので経済性がいいと言えます。

飴屋 廃棄する人も燃料を買う人も両方で安いんですね!

新井 二つ目が脱炭素です。

RPFは元々廃棄物から作られているので、通常ならただ焼却されるだけのごみから作りだしています。

ただ燃やすだけだった廃棄物を石炭の代わりにできる固形燃料にしているので、使えば使うほど石炭の消費量を減らすことができますよね。

飴屋 たしかに石炭の使用量を減らせれば脱炭素に貢献してますね。

新井 三つ目は活用の幅がすごく広いってことです。

通常のサーマルリサイクルだと燃やした瞬間に熱を利用しないといけないんです。

例えば、サーマルリサイクルをしている焼却施設の隣に温水プールを作って、そのプールを温めるとかですね。

飴屋 隣の施設が動いてないとプールが温まらないんですね?

新井 そうなんです、通常のサーマルリサイクルって貯蔵ができないんで、その場で熱を利用する必要があります。

だけどRPFにすることで、持ち運びが可能になります。

飴屋 なるほど、工場が隣になくてもプールを温めることができますね!

新井 なので貯蔵したり、持ち運べたりと応用が効くのがメリットですね。

小型のボイラーなどもどんどん出てきたり、緊急用として備えることもできます。

RPFの課題とは?

飴屋 もう理想の燃料に思えますが、何かダメなとこってあるんですか?

新井 RPFを扱う上で一番の課題が塩素と言われています。

飴屋 塩ですか?

新井 そう、塩なんですが、塩分を含んだごみを燃やすと金属が腐食するので炉を痛めてしまうんです。

だから塩分を含んだごみは受け入れを厳しく整理しています。

この塩分ってのが、いろんなとこに含まれているんですが、まず塩ビっていう素材がそもそも塩分を含んでます。

あとは弁当の空箱とかですと、塩とかソースが少し残りますよね。そういうのも塩分になりますし、汗が染み込んだ畳とかも塩分を含んでます。

飴屋 塩分って色んなとこにあるんですね。

新井 ありますね。なので塩分を含んだごみの分別が上手くクリアできれば、理想の燃料としてもっと活用の幅が広がっていくのかなって思います。

飴屋 塩分の課題がクリアされてRPFの活用がもっと広がるといいですね!

新井 本当にそう思います。

飴屋 ありがとうございました。