香港の廃棄物管理 最前線 | エコエキスポアジア2023 | The forefront of waste management in Hong Kong


皆さんこんにちは、環境と人 レポーターの久米です。
今年10月に香港で開催されたエコエキスポアジア2023。
13の国と地域から300を超える出展者が集まり、カーボンニュートラル、水素エネルギー、グリーン輸送、サーキュラーエコノミー、ESGなどに関する展示やセッションが行われました。

今回は、香港政府が2050年までのカーボンニュートラル達成のための重要戦略のひとつとして掲げている廃棄物削減について紹介します。

今日の香港では、家庭で発生する一般廃棄物を分別収集したり、リサイクルする仕組みが整備されていません。多くが埋め立て処理をされており、今後の廃棄物への対応は大きな課題となっています。
そこで、香港パビリオンでは、それらの課題を解決するソリューションが紹介されていました。

こちらは、大学や公共機関ですでに導入され始めている「ごみの分別を促すごみ箱」です。

質量に応じてポイントを貯めることができ、ポイントを貯めると商品がもらえる仕組みです。生ごみ用のごみ箱もあります。

次に、企業から排出される廃棄物をエネルギーに変える技術を開発している香港の企業を紹介します。

1.AEL (International Holdings) 社

AEL社CEOのJude Chowです。我々は、グリーン技術のスタートアップ企業です。食品廃棄物からエネルギーを作る技術で、10年以上の経験があります。

政府との共同研究を行い、今では食品廃棄物をエネルギーにリサイクルする非常に小型のリサイクルマシンを作れます。当ソリューションは既に色々な場所で使われています。

例えばショッピングモール、ホテルや大学、そして食品工場です。

こちらは新製品で、感染症を心配せず使える小型のマシンです。

これは、液化させた食品廃棄物です。箸やフォーク、ナイフは簡単に取り除けます。次の第2段階では、オイル成分を抽出します。バイオディーゼル燃料に変換できます。

そして、可溶性の部分はタンパク質を抽出して動物の飼料として使えます。可溶性部分は発酵工程を経て、バイオガスになります。

捨てるべきものは何もなく、製造工程で廃水は出ません。水は再利用されるので、何も排出物は出ません。

ーQ:香港の廃棄物管理は今後どう変化すると考えますか?

香港政府は、来年の4月から廃棄物の排出を有料化します。そのため、来年4月からは誰もが政府から専用のごみ袋を買う必要があります。私が思うに、日本のごみの仕組みと似ることになるので、分別・リサイクルする動機が生まれるでしょう。

事実、香港では毎日のように大量の食品が消費され、大量に廃棄されています。廃棄物全体の中でも30%以上を占めており、毎日3,600トンもの廃棄物を生み出します。

そして、今はそのほとんどが埋め立てられています。

しかし、来年からは大きく変わってくると思います。政府は多くの罰則と分別制度を設けて、食品廃棄物のリサイクル促進に全力で取り組むでしょう。

取材協力:AEL社

次に、メタルの採掘で排出される汚染水の分解技術を開発するフィンランドの企業です。

2.EPSE社

こんにちは、Vepsalainenです。アジア圏で事業を運営しているEPSE社の会長です。

我々は有害産業廃棄物を処理しています。フィンランドの新技術によって…具体的には化学物質などを使って有害な粒子を破壊することで、廃水を中和して人間にとって安全な水にします。それがフィンランドの技術「EPSE」です。

放射能汚染水にも関係するので、日本にとって特別な意味を持っている技術です。

我々は金属が溶け出した工業排水を扱います。大体の工業排水はpHの値を3くらい、低いpHの状態から始まります。大体の工業排水は低いpH値ですから、その場合は特になにかする必要はありません。

次に、我々の開発したEPSEを投入し、pHを上げて調整します。基本的な化学反応はそこで済みます。その結果メタルフリー、つまり金属を含まない綺麗な水が得られます。

そして残るのは沈殿物です。工業排水から出たあらゆる金属が沈殿します。

なので、処理水は工業で再利用ができます。それは昨今において非常に大事なことで、持続可能性の目標を掲げる中、水をできるだけ多く再利用したいと考えています。それはバージン原料の使用を減らすことになります。

元となる廃水の金属の濃度によって違いがあります。

もしかすると、この金属をリサイクルするのは、非常に儲かるかもしれません。例えば、高濃度の銅が含まれている場合、除去した銅を製錬所に持ち込んだりすると金属を再利用できますよね。

これが我々が頑張って作り出したプロセスです。

取材協力:EPSE社

auther:久米彩花