
2020年7月から始まったレジ袋有料化。実際のところ効果はあったのか?
そもそも、なぜレジ袋をはじめプラスチックを削減しなければならないのか。
わかりやすく解説する。
レジ袋って何が問題だったの?
飴屋 レジ袋有料化って何が原因で始まったんですか?
新井 そもそも大きく2つの問題があって、まず1つが海洋プラスチック問題、もう1つが脱炭素ですね。

海洋プラスチック問題はウミガメの鼻にストローが刺さっていたり、クジラの胃の中からビニール袋がいっぱい出てきたりすることですね。。
川に捨てられたレジ袋などが海に流れていって、海洋生物に影響を及ぼしていることが原因です。
ただ、日本の場合はリサイクルのインフラが整っているし、川とかに物を捨てる人も少ないのであまり影響はないと考えられています。
どちらかというと日本の場合は2つ目の脱炭素の問題にフォーカスしてます。
気候変動を止めるために石油の消費量を減らしていこう、だから石油を使ったプラスチック製品の中でも特に使い捨てのレジ袋をまずは減らしていこうよってことですね。
飴屋 レジ袋だけじゃなくって、プラスチックスプーンやプラスチックストロー、ホテルの使い捨てのアメニティとかも同じですよね。

新井 そうですね。これから規制されていくと思います。
そもそも、くれるから貰おうかなっていうプラスチック製品がそもそも多いですよね。必要のない使い捨てのプラスチック製品は減らしていくことが大事だと思います。
容器自体が紙に置き換わっていく?
飴屋 スプーンやストローだけじゃなくて、お弁当の容器とかも今後は紙になったりしますか?
新井 その可能性は十分ありますね。容器包装に関しては1995年に容器包装リサイクル法がすでに制定されてます。
これは、容器包装を使うコンビニやスーパーなどの事業者に対してリサイクルするための資金を拠出するっていう制度のことです。
なぜこれが生まれたかというと、1990年ごろにごみを減らすために3Rを進めていこうってなったときに、焼却炉に持ち込まれているごみの中身を調べたら一番多いのが容器包装だったんですね。なので法律を作って包装容器のリサイクルを進めたわけです。
今は使い捨てのプラスチック製品自体を減らしていきましょうって流れなので、レジ袋を有料化したりして減らしているわけです。
なんでプラスチックを燃やしちゃダメなの?
飴屋 プラスチックでも紙でも、最後に燃やすなら一緒じゃないかって思うんですけど、何か違うんですか?
新井 プラスチックを燃やすことがなぜ問題なのかと言うと、地下から掘り出した石油を使って作られたプラスチックを燃やすので、地下に埋まっていた炭素を地上に排出していることになります。
一方で紙や木の製品は基本的に空気中にあるCO2を吸って育った木で作った製品なので、それを燃やしたところでもともと空気中にあったCO2を空気中に排出しているだけになります。
飴屋 空気中の二酸化炭素を吸って育った木でつくられた製品なら、燃やして二酸化酸素が出たとしてもプラマイゼロになるわけですね。

新井 プラマイゼロ、これがつまりカーボンニュートラルっていうんですけど、それに対して地下に固定されてた化石燃料を掘り出して燃やすと、空気中のCO2がその分増えて温暖化が進んでしまうということが問題なんですね。
エコバックもプラスチックだけど、いいの?
飴屋 レジ袋を減らすためにエコバックを持とうって流れができたと思いますが、結局そのエコバックもいっぱい生産されて、プラスチック製のものも多いじゃないですか。それを使ってたらあんまり変わらないんじゃないですか?
新井 確かにエコバックをとっかえひっかえ使い捨てるように使っていたら、それは全然意味がないです。
なので一番大事なのはものを長く使うことですね。

ものを長く使うことを基本に考えていかないと、レジ袋を有料化しても本質的には変わっていきません。
どうしても使い捨てなきゃいけない場合は、紙とか生分解性のものを使った方がベターかなと思ってます。
飴屋 ものを長く使うマインドが大事ですね。ありがとうございました。