外よりも家庭の方が危険?日本の家の性能が低い理由

2022年3月、福島県沖の地震をきっかけに東日本の発電所が停止、電力需要がひっ迫して家庭・企業ともに節電要請が出される事態となり、エネルギーについて自分ごととして考える機会が訪れました。2050年までに脱炭素社会を実現する上でも、一人ひとりが家庭のエネルギー消費を抑える手段を講じるべきでしょう。

とはいえ「節電のため皆さんエアコンを切って、暑くても寒くても我慢して過ごしましょう」というのは、あまりにも旧態依然の根性論と言わざるを得ません。ここはひとつ考え方を変えて「家の中が暑かったり寒かったりするのは、日本の家の性能が低すぎるから」と考えることはできないでしょうか。

今回は、高い断熱性能により年中快適なエコハウスを手掛ける、スタジオA建築設計事務所 代表取締役 内山 章(あきら)さんに、日本の住宅のあるべき姿についてお話頂きます。

1968年 横浜生まれ。一級建築士。省エネ建築診断士。東京造形大学デザイン科、株式会社丹青社を経て、1997年 スタジオA建築設計事務所 設立。同社 代表取締役。株式会社エネルギーまちづくり社 取締役。NPO法人南房総リパブリック 理事。住宅・集合住宅を中心に、飲食店や商業ビル、オフィスなど、建築・インテリアを多数設計。高性能なエコハウスのデザインや、2016年より全国で断熱ワークショップを展開している。

外よりも危険な日本の住宅

−手掛けている事業について、ご説明お願いします。

はい。スタジオA建築設計事務所は、今年で25年目になる設計事務所です。

基本的には一般の設計事務所ですが、住宅/商業どちらも、リノベーション/新築の両方をやっておりまして、仕事の種類がものすごく多岐に渡るのでオーダー次第で何でもやれるみたいな、そういうスタンスでやってます。

もう1つ会社がありまして、「エネルギーまちづくり社」の方は、設立して今年で5年目になります。

こちらは私含め建築家5人で作った会社なんですが、行政等のエネルギーのコンサル的なところ、要するに建物とまちづくりに関わるエネルギーのコンサルティング業務がメインになっています。エコハウスの開発だけでなく、行政とともに税金で建てられる庁舎などの公共施設のエネルギー策定だったり、自治体の建築だったりを行っています。

両社とも、エコハウスの設計に携わっている?

そうですね。スタジオAのほうでは10年以上前からずっとエコハウス…当時はまだエコハウスという呼び名はありませんでしたが、断熱性能を意識した住宅作りをずっとやっていました。

−いまの日本の住宅の問題点とは何でしょうか?

既存の住宅の問題点ですが、いま日本ではヒートショックで倒れる人が沢山います。一昨年のデータでは年間19,000件が救急搬送されていて、その中で5,000~6,000人が亡くなっていると言われています。日本の交通事故による死亡数が全国で3,000人くらいなので、外を歩いているよりも家の中にいる方が危ないというのが日本の家なんです。 

家でのヒートショックの原因というのは解明されています。

冬場に暖かい居間で過ごしていた高齢者が、そろそろお風呂に入ろうかと廊下に出た瞬間めちゃくちゃ寒いわけです。寒い廊下を歩いて寒い洗面所に入りますよね。特に昔の住宅ですと洗面所に大きい窓があって、それもアルミサッシに薄っぺらいガラスが一枚みたいな感じです。そこで服を脱いで風呂場に入ると、タイル張りですごい冷たい。

「寒い寒い」と温かいお風呂にいきなり入ると、寒さで縮んでいた血管が急激に開いて、血圧が急降下して気絶、溺れて亡くなるというのがヒートショックのメカニズムなんですね。じゃあ、その原因はなにかって、それは家の性能が低いからなんです。

生涯かけて手に入れた家が、自分たちの人生をきちんと全うするために、健康で最期まで暮らしていくための家になっていないんです。そこが一番大きいですね。

日本の家の性能が低い理由

要は「家」って本当は人権そのもの、人権を守るものであるべきなんです。

例えばイギリスの場合、冬場に暖房を止めて部屋の温度が16℃以下になる賃貸住宅は運営しちゃいけなくて、営業停止になります。

しかし日本の場合、お金がない人は暑くて寒くて小さな部屋に住むのが当たり前になる。お金があろうがなかろうが朝起きて夜眠るまで同じように生活をしているのに、それって当たり前なのかと。「それはなぜ?」と思うべきなんじゃないでしょうか。

日本の住宅性能は先進国の中でもダントツで低いです。中国よりも韓国よりもはるかに低い。というのも、現在の中韓は新築物件に対する断熱性能の規定が設けられているんですが、日本にはないです。全くないんです。

それは、今から新しく建てる家に関してもルールがないんですか?

ないですね、何の義務もありません。

昔から法律で何も縛られていないので、みんな自由競争になったんです。だから性能が低く安い住宅がいつまでも作られ続け、ヒートショックが原因で交通事故以上に亡くなるような奇妙な状況が生まれてくる。それが日本の住宅の現状なんです。

そうですね。言われてみると、家が寒くても我慢するもんだっていうのが当然だと思っていました。

私の実家はハウスメーカーのプレハブなんですが、帰省すると母親が部屋でユニクロのライトダウンを着ているんですよ。で、「なんで家でそんな格好しているの」って聞くと「これ着ていると暖かいのよ」って。

いや、そうじゃなくて、家が寒いからだよっていう話なんですよね。非常に貧しい事だと思います。

なぜそんなことになっちゃったんでしょうか。

なぜなんでしょうね。よく僕らは「吉田兼好が悪い」って冗談を言うんです。

というのも、徒然草で吉田兼好が「家の作りようは夏を旨とすべし」、つまり夏に心地いいようにするのが住まいのあり方だと唱えたから、その呪いが900年経った今でも解けないんだって冗談を言っているんですけれども(笑)

実際の所は、日本の場合はやはり高度成長期の住宅政策において、大量生産の恩恵を受けるために「とにかく数を作る」を目標とする中でより早く、より安くというのがあったかと思います。今でもその延長で住宅が作られてしまっている。

なので、我々が今、働きかけているのが、日本の住宅の性能基準を政策として設けるということなんですね。それは2050年に向けた脱炭素化にも最低限必要なことなので、法制度化・政策化するために、いま実際にロビー活動みたいな事をやっています。 

熱損失の少ないエコハウス

エコハウス、断熱ハウスというのは具体的にどんなものなんでしょうか。

単純に言うと、冬暖かくて夏涼しい住宅というものです。

具体的には4~5人の家族で住むような一般的な2階建て住宅が、8畳か10畳用のエアコン1台だけで真冬も真夏も全部賄えるというレベルの断熱性能の家です。 

最近ですとZEH(ゼッチ/ゼロ・エネルギー・ハウス)というものがあります。これは使用エネルギーがゼロという意味ではなく、エネルギー使用量をぐっと減らして、減らしきれなかった分を太陽光パネル等の再エネで電気を作って差し引きゼロにしましょうというものです。

ただ、経産省が唱えているZEHの場合は高性能エアコンを付けて、蓄電池を付けて、エコキュートを入れて、照明をLEDにして…と色々な設備を想定しているんですが、基本的に設備というのは10年くらいで更新が必要なもので、エアコンも10年とかで壊れたり交換が必要になってしまうわけで、持続可能かというと疑問です。

一方で断熱材は30~40年で効果がなくなったりするものではありません。ちゃんとした作り方をすれば、50年ぐらい経っても断熱材として普通に機能します。

なので、我々は屋根、壁、床といった「外皮」の断熱性能をできるだけ上げて、外環境からの影響を減らすことで、最低限の設備でエネルギーを少なく回せるようにしようよ、というようなものを作っています。

エコハウスは、どのように脱炭素につながるのでしょうか?

基本的にはエネルギーを使わなくなるのでCO2排出量が減りますよね。エアコンをつける頻度が減る、単純にそういうことです。

僕らが都内に作っている住宅の場合だと、2月とかの真冬、最高気温15℃に至らない日でも朝から昼前ごろまでエアコンをつければ、あとは日差しで十分に家全体が温まり、夕方までエアコンオフで過ごせるくらいの性能があります。

弊社が通常のエコハウスで作っているG2のレベルでは、年間暖房負荷(1年間に暖房に使うエネルギー量)が平成28年省エネ基準からみて50%以下くらいになっています。

つまり一般的な家の約半分の光熱費とお考えいただければと思います。  

具体的には断熱加工っていうのは何をされるんですか?

床、壁、天井…まぁ床というか基礎なんですけども、そこに断熱材を入れます。グラスウールと言う布団みたいな素材があるんですが、それを壁に20cm相当、屋根に30cm相当がミニマムです。

また基礎部分には発泡スチロールに似た断熱素材を5~10cm敷きます。あとは、室内全てビニールでぐるっと包んで、すきま風をほとんど無くす、つまり気密化します。

それに加えて大事なのが換気です。断熱性能がある程度高くなって室内温度をキープできるようになってくると、今度は換気扇も変える必要があって「全熱交換器」というのを使います。 

その前にまず換気について説明すると、日本は住宅の温度についての法律がありませんが、換気については法規定されています。これは昔にホルムアルデヒドとかシックハウス症候群というような問題が出たことで制定されたんですが、簡単に言うと一般的な住宅は2時間に1回以上、部屋の空気が全部入れ替わっていないといけないんです。

そのために部屋には換気扇やら換気口がついていますので、例えば、真冬の夜中に外の温度が0℃で部屋の中は20℃だった場合に、通常は外から0℃の空気が部屋の中に入ってきて部屋が冷えますよね。

ですが、その際に全熱交換器を通すと、空気を入れ替える際に温度交換をするんです。0℃の外気が部屋に入る時には16~17℃の空気になってくる。そうすると、温度の交換がないのでエアコンが一定の運転のままなんですね。つまり、料理する時にキッチンの換気扇を入れると、なぜかエアコンがブワーっと回りだすみたいなことがなくなります。すると熱量のロスがないので、エアコンの稼働が上がらない。こういう事が必要になる感じです。

窓のサッシは二重にするんですか?

樹脂製のサッシにペアガラスで鹿児島~東北あたりまでであれば十分な断熱が期待できます。できれば東京よりも東に関してはトリプルガラスにできればベストです。 

なるほど。しかし、費用面で上がるような気がするんですがアルミサッシに比べていかがですか?

断熱のレベルにもよりますが、金額で言えば大体10〜15%増しくらいに考えて頂ければいいと思います。

なるほど。ランニングコストが下がることでペイできる金額ですか。

すごく正直に言えば、日本の電気代って欧米から比べるとすごく安いので、電気代のメリットだけを考えるとそこまで得になる話じゃないです。ですがそれよりも健康コストの部分のベネフィットがすごく大きいです。

健康について考えるなら住環境も考えよう

健康コストとは?

はい。健康リスクが特に大きく関わるのが、小さなお子さんとお年寄りです。

お子さんに関して単純な例を出すと、家が暖かいのでお子さんが風邪をひきにくくなります。そうなると、例えば「家族旅行の予定が、急なお子さんの風邪で行けなかった」ってことがなくなって、家族で旅行に行って、思い出ができて、家族で過ごせる…というような分かりやすい便益がまずあります。

あとはアレルギーですね。カビのアレルギーやアトピーなどの発生率も下げられる。これにはきちんと調査したデータがあります。

次に高齢者の方ですが、まず血圧が下がるなどがあるようです。これに関してはあくまで事例の1つなんですが、血圧値が150~160のおじいさんが、エコハウスで寝起きするようになって2週間経ったら130台まで下がったというケースがが紹介されていたりします。

また、認知症のリスクが下がるとも言われています。なぜかと言うと、家が暖かいので活動的になるからで、65歳以上だと一日30分くらい活動時間が延びるというデータがあります。それによって、認知症のリスクを下げられるんです。

加えてヒートショックなどや心筋梗塞や心疾患、脳溢血といったリスクが下がるので、健康のメリットが非常に大きいです。

つまり寒くない暑くないのでいつも快適になるわけですね。常に春秋の気候にいるように過ごせる事は、すごく大きいかなと。 

私の母は東北の築50年くらいの一軒家に住んでいるんですが、仰る通り、冬場お風呂までの廊下が凍りつく寒さなので何とかしたいっていう風にずっと言っています。…新築でなく後からも断熱改修ができるんでしょうか?

それは、ぜひ改修した方がいいと思います。

全部やらずとも一部でいいんです。地方の一軒家って大きいので、全改修にはすごくコストがかかりますが、おひとり住まいという事ですとお使いになる範囲がすごく小さいんじゃないでしょうか。

仰るとおりです。

そうすると一部を断熱改修して、あとは春夏秋に使う部屋として過ごせばいいんじゃないかと。冬はこの部屋で過ごすみたいに決めて、水回りとよく活動する居間や寝室だけでもきちんと断熱する。

で、寝室が暖かくなると睡眠が深くなるんですね。皆さん夜中にトイレへ行くことがあると思いますが、睡眠が深くなってよく眠れるようになるとその回数が減ります。

なるほど、毎日過ごす空間なので、家の性能というのは最も大事なことの1つだと実感しました。住宅を比較検討をする上で、健康コストを数値化する試みはありますか?

はい、まず断熱住宅にした場合とそうでない場合の金銭面での比較という意味では、我々でとったデータ資料があります。簡単に言えば、電気代だけでのペイならばおよそ30年、健康ベネフィットを加味すると大体11~12年に収まるといった内容です。

それと2017~2021年に国交省が家の断熱性能と健康被害の相関の調査をしていまして、国レベルできちんと調査報告書が出ています。なのでそちらを見て頂ければ、よりご理解頂けるかなと思います。

大手ハウスメーカーの住宅に関しては、健康コストはどの程度考慮されているんでしょう。

今はあまり考慮されていないですが、皆さん段々と意識が高くなってきています。

どういう事かというと、彼らは顧客ニーズに対しての反応がものすごく敏感です。日本は2050年にカーボンゼロを標榜していて、法整備も進んでいますよね。それに呼応して人々の環境意識が高まってきたとき、最初に反応するのは彼らだと思っていますし、そこにすごく期待しています。

そうなった時、どうやって民間の意識を高めていくかが大事かと思っておりまして、僕らの場合は2016年から「断熱ワークショップ」を全国でやっています。自分たちの家を自分たちの手で暖かくしてみようという内容で、断熱効率で言えば微々たるものですが、それでも自分たちで手を施すことによって「家って気持ちいいね」と思ってもらえるよう取り組んできました。

金融がボトルネック

「とにかく環境負荷を下げたマンションや家を建てたいんだ」という要望に対し、今の日本のマーケットはどのくらい応えられるものになっているんでしょう?

技術的なことや、それに応えられる人間というのはどんどん出てきています。国が本格的に脱炭素に向けて動いていて、脱炭素が新たなビジネスチャンスになっていますから、今後必ずそういう流れになって行くでしょう。

しかし、賃貸に関しては、現状そういったものを建てるのがまだ難しい場面がたくさんあります。

賃貸住宅を建てる際に金融機関から事業融資を受けることになりますが、住宅性能を上げる工事に対して、銀行が評価しないんです。「この規模のマンションならいくらで建てられるよね」というのがある程度決まっちゃっているので、そこに加算される価値については「何でわざわざお金かける事をするんですか」って言われてしまう。もっと言うなら、金融側が決済を通すのが面倒くさいからなんですね。 

担当者レベルでは住宅性能を上げる意義が分かっていても、その上長、更にその上長になってくると全然話が通じなくて「いやいや、当行の棟単位面積あたりの賃貸に対する融資額はこういうふうに決まっています」と。

僕はそれが一番のハードルだなと思っています。金融が根幹なのに、そこが動かないんですよ。 

ですが、未だに石炭火力発電にお金を出しているのは日本くらいで、世界を見ると今はESG投資やRE100(事業の使用電力を100%再エネで賄う)企業に対して融資をするというようなことを宣言している金融機関が増えてきていますよね。日本もいずれそういう流れに変わってくるだろうという風に思っています。 

木造と鉄筋

鉄筋コンクリートは非常に環境負荷が重く、木造は環境負荷が低いとされていますが、木造はあまり価値が付きづらいと聞きます。その辺の建材の違いについて教えてください。

はい。木造住宅は技術的にはすごく可変可能ですし、イニシャルコストを下げられるという利点もあり住宅規模によっては非常にメリットが大きい建材であります。しかし市場はそういう風にできていないため、木造にし辛いという問題があります。

というのも、木造ですと不動産流通の世界ではアパートになり、アパートはマンションに比べて家賃がつかないので利回りが落ちるわけですよね。そこのデメリットはやはり払拭しづらいものがあります。

環境負荷という面では木造の方が優れている?

はい。サーキュラーエコノミーの観点から言うと、コンクリート造はサステナブルではありません。コンクリートの中に鉄筋が入っていますが、それらを解体後きちっと分別するのが技術的に難しく、コストがすごくかかるという面から、あまりいい素材ではありません。 

欧州などでは、そのあたりどうしているんでしょう?

一番大きいのは、そもそも向こうの住宅は日本ほど回転しないことです。地震の有無が大きいと思いますが、当たり前に100年とか120年とか住宅を使ってますからね。

あとはサーキュラーの意味でいうと、マテリアルバンクと言って、この建物を建てるのにどういう素材をどれだけ使っているか、全部リスト化する取り組みも始まっています。すごくコストがかかるんですが、日本もいずれそうなっていく可能性があります。

ただ、日本は昔から木造建築をしてきました。木造は諸外国と見比べると、ものすごくメリットが高い建設方法なんですよね。今だと10階くらいまでの木造ビルが建ち始めているので、それが進んでいくといいなと思いますね。

日本の建築はいま耐震・安全性が最重視されている印象がありますが、安全面とサーキュラーな住宅/断熱住宅っていうのは共存できるものですか?

できます。ただし、日本の場合は耐震とあと「防火」なんですね。

火事に対する規定が、世界でもダントツ厳しい法律を課せられているので、そういった意味で、人が多く集まる大規模住宅にはなかなか木造が使いづらい法規になっています。

その分、そこは皆さん色々な技術を開発されてクリアしようとしている分野でもあります。

内山さんが主催する「断熱ワークショップ」

今後のプロジェクトで一番力を入れてるものは?

スタジオAの方で、ただいま千葉県の館山に銭湯を作ろうとしています。こちらは、私が運営する予定です。 

銭湯ですか。

はい。男女10人ずつくらいのキャパの小さい銭湯ですが、ほとんどエネルギーがかからない銭湯を目指しています。

銭湯って、例えば都内ですとガスや重油を焚くのが一般的で、水に関しても地下水が減ったり水質悪化とかで水道水に切り替わっているので、銭湯のランニングコストがどんどん増大しているんです。一方でお客さんは減っているためどんどん潰れているというのが現状なんです。

なので、いま館山の方で作っているのは持続可能性の高い銭湯なんです。木質系の解体材を材料にしたウッドチップを使って地下水を沸かせば、水道水を重油で焚いた場合の10分の1くらいまでランニングコストを減らせると分かっているんですね。

銭湯ってすごく単価が安いので儲かりはしないんですが、持続可能的に商売を続けられるんじゃないかなという事でやろうとしている取り組みです。

年内オープン予定ですが、なにしろ初めてのことなので、まあ大変なことが大きいんですけれど(笑)

ありがとうございました。

2022.03.15

取材協力:内山章(スタジオA建築設計事務所 / エネルギーまちづくり社