リサイクル会社がつくる
循環思考メディア

誰でも参加できる!廃プラのアップサイクルコミュニティ”Precious Plastic”

使い捨てプラスチック問題に注目が集まって数年、いまだ私たちの生活にプラスチックは必要不可欠な存在です。

そのプラスチックごみにあえて価値を見出した、Precious Plasticというプロジェクトがあります。プラスチックは貴重な資源であるのに、捨ててしまうのはもったいない。そこでオランダの工業デザイナー、デイヴ・ハッケンス氏が、誰でも簡単にプラスチックごみを美しい製品に生まれ変わらせる機械を開発し、その作り方、工程を全て公開することで、世界にアップサイクルの輪を広げることを目指すプロジェクトがPrecious Plasticです。

 

企業ではなく地域に根ざしたコミュニティであること

Photo by Precious Plastic

Precious Plasticは、利益を求めるだけの商業的な組織ではありません。主にふたつの活動があります。

一つ目は、Precious Bazaarという廃プラを使ったスタイリッシュな製品を販売するオンラインショップで、もう一つがPrecious Spaceというコミュニティ活動です。

特に着目したいのは、このコミュニティの活動です。

コミュニティにはいくつかの役割があります。

メンバーは、まず家庭で出たプラスチックごみを無駄にしたくないという意識からスタートします。

そして回収場所を運営するメンバーがごみを受け取ります。そのごみを、自作した専用機械を持つ作業場を提供するメンバーが、家具や建築材料、コースター、カラビナなどあらゆる製品に再生させます。

Photo by Precious Plastic

その製品をさらにコミュニティ活動を行うメンバーで販売し、みんなで活動を広げてゆく、という流れです。

つまり、機械が作れなくても、技術がなくても、できることから参加が可能なのです。

 

オープンソースだから、世界中に広まっている

このプロジェクトの素晴らしい点は、プラスチックごみを、誰でも、どこでも、最低限の資金で再生できる方法を、オープンソースとして公開している点です。

長年かけて開発したプラスチックを粉砕する破砕機、金型に溶かし流し込む射出成形機などの設計図を、世界のどこからでも無料で見ることができます。現在、この技術を使ってプラスチックごみから作った製品を売り、活動を広めているコミュニティが世界中に広がっています。

Photo by Precious Plastic

この活動が広まっている背景には、教育機関や環境問題に関わる活動をしている組織が、このプロジェクトに参加することですぐにワークショップを始めたり、教育現場で子供達に環境問題に触れさせたりできる、といった要因があります。

また、世界中の参加者同士が、問題点や解決策をコミュニティを通して相談できるプラットフォームがあり、すぐに情報を共有できるのも魅力です。

 

日本では広がりにくい?

Photo by Precious Plastic

日本にも何ヶ所かこの活動を行うコミュニティがありますが、ヨーロッパ諸国と比べるととても少ない印象です。

想定できる理由としては、Precious Plasticの活動が全て英語で、広告を出しておらず、日本の教育機関や団体に広く知られていない可能性があります。アジア諸国全体的にコミュニティが少ないのも、言語の壁が理由の一つと言えるでしょう。

他には、人口密度の高い日本では、機械を置いて作業をするガレージのようなスペースが少ないとか、詰め替えパウチの浸透など、生活習慣によって出てくる廃プラスチックが違うなどの要因が考えられます。

 

どのようにこのプロジェクトに参加できるのか

Photo by Precious Plastic

実際、廃プラ製品を作るには、都市部を離れて広い作業場を借りてごみを集めて分類し、機械を購入または組み立てて、制作をする必要があり、都市部で行うのは、ハードルが高いのではないでしょうか。

もちろん、寄付というわかりやすい方法での援助もできますが、それだけでは活動が広がりづらいでしょう。

 

しかし、新型コロナウイルスの影響で、リモートワークや地方移住も増えており、都市部の非循環型なシステムに疑問を持つ人であれば、このコミュニティを地方で進めることもできます。今後もっとPrecious Plasticの活動が知られてくれば、日本でも増えていく可能性はあるでしょう。

また、地方自治体や教育機関などを巻き込んでこのプロジェクトに関わる、という方法もあります。

 

しかし、もっと簡単にこのプロジェクトに参加したい場合は、日本でも、いくつかの地域で活動しているメンバーがいるので、旅先でそのコミュニティに参加するところから始めてはいかがでしょうか。

 

Precious Plastic Japan(ダイナミックラボ/鹿児島県)

https://community.preciousplastic.com/map

↑ここから日本で活動しているメンバーの情報を見ることができます

 

※画像は全てPresious Plasticより引用

環境と人 編集部

このメディアは、「ごみ問題を解決する」ことを目的として、サステナブルな社会と、自然と調和したライフスタイルに関する情報を発信しています。
普段あまり目にすることのない「リサイクル・廃棄物産業側の視点」から、環境と社会に関する深い理解を提供していきます。

読まれている記事

他の記事を見る