「ジモティー」と連携してゴミを削減⁉地域密着型リユースビジネスの可能性とは

みなさんは家庭で不要になった大型の物品はどのように処分、またはリサイクルしていますか?

まだ使用できる物であっても、特に大型の物品に関しては「処分にお金がかかる」「リサイクルショップに持ち込むのが面倒」「フリマアプリに出品するにしても発送が面倒」などの理由でなかなかリサイクルが進まないという現状があります。そんな中、今注目を集めているのが、地域密着型のリユースビジネス。

 

今回は、地域の情報サイト「ジモティー」を運営する株式会社ジモティーが自治体やさまざまな企業と連携して行うリユース促進への取り組みをご紹介しながら、地域密着型リユースビジネスの将来性について考えていきたいと思います。

 

地域の中で「譲渡する」という選択肢

月間1000万人以上が利用する「ジモティー」は、株式会社ジモティーが運営する地域情報サイトです。さまざまなリユースビジネスがある中で、ジモティーが提供するのは「生活の中で生まれる問題を地域の人同士で補い合える仕組み」。

地域内で譲り合える場を提供することで未利用資源の活用というサーキュラーエコノミーを体現するサービスでありながら、事業としても成長し続けているのが大きな特徴です。また、地元の企業が近隣の住民にサービス内容を告知するツールとしても手軽に利用できることから、地域の情報インフラとしての活用法も。

 

ジモティーは都道府県別や市区町村別ごとに一覧化されており、直接の受け渡しが基本。梱包に必要な資源も無駄にすることなく、必要な物が必要な人に渡る仕組みは、環境への配慮という点においても注目されるべきでしょう。

 

自治体との連携で粗大ごみのリユースを実現

引き取り手が付きづらく廃棄される可能性の高い物品、特に大型の物に関しては、処分するにもリサイクルに出すにも手間や費用がかかるため流通しにくく、そのまま家に眠っているケースも多いといいます。

 

確かに、例えば、大型でなおかつ使用感のあるものやモデルの古いものは

 

・フリマアプリなどを利用する際、商品自体は安い値段で出品するにしても送料が高額になってしまうと購入してもらえない

・リサイクルショップに持ち込みをしても、使えないわけではないけれど引き取ってもらえない

 

という状況に陥りがち。

このような未利用資源の活用と粗大ごみのリユースを進めるため、ジモティーと自治体が連携して不用品持ち込みスポットを作る実証事業が行われ、注目を集めています。

 

東京都世田谷区に実験的に設置された持ち込みスポットでは、まだ使えるものを無料で引き取り、必要な人へ売却したり譲ったりすることでゴミの減量に繋げています。住民がサイトを通して日時を予約して持ち込んだ品物や、回収された中でも状態が良くまだ使用できる粗大ごみをジモティーのスタッフがチェックし、無料あるいは価格をつけてサイトで紹介。送料がかかって流通しにくいものを地域で循環させるための情報提供を行っています。

 

ジモティーでは現在28箇所の自治体と提携してリユースの取り組みを行っていますが、このような取り組みがさらに全国に広がれば、地域内での資源循環の促進やごみの削減に大きな効果を発揮するのではないでしょうか。

 

ジモティー×ブックオフの取り組みとは

販売できずに眠っている物品の行き場に困っているのは、一般消費者だけではありません。ジモティーはブックオフと提携し、店舗の余剰在庫を特定地域内で販売する実証事業を行っています。

ブックオフが全国から買い取ったリユース品はすぐに店舗に並ぶものばかりではなく、数世代前の家電や傷がある家具などは従来の基準では販売できずに倉庫を圧迫している状態。そこで、ジモティーとの協働により、余剰在庫の解消と地域のリユースの活発化に繋げようというの事業を立ち上げました。

実証実験では、ブックオフの物流拠点に保管している商品の在庫をジモティーに出品。購入者が決まり決済が済むと、ブックオフ側が指定する拠点でジモティーユーザーへ商品を受け渡します。

この事業は在庫を収益化したいブックオフと、地域内でのリユースを促進したいジモティーのニーズが一致して実現したわけですが、ジモティーは今後、他の企業とも連携を進めることでリユース促進の強化を図る方針だそう。

 

ジモティー×社会福祉協議会で寄附物品のリユース及び地域福祉事業の促進を目指す

ジモティーは、社会福祉協議会との実証事業も行っています。どのような取り組みかと言うと、

 

・多くの市民から社会福祉を推進させるための寄附物品が寄せられているにも関わらず、効率的に寄附物品を譲渡する手段がない

・地域社会を支えるボランティア活動者の高齢化が進んでおり、新たな担い手発掘のための若い世代への告知手法がない

 

といった課題を抱える社会福祉協議会がジモティーと提携を結ぶことで、効率的な寄付物品の譲渡や情報提供を行っていこうというもの。具体的には、社会福祉協議会が保有している寄附物品を、ジモティーに出品。物品を必要としている福祉施設・事業所は、ジモティーを通してオンライン上から申し込みを行います。合わせて、福祉協議会で実施しているボランティア活動など地域福祉事業の情報を掲載し、ボランティア登録や事業参加の促進を目指します。

 

地域のあらゆる情報を可視化することで生活を豊かにすることができる。ジモティーには、このような地域の情報インフラとしての活用法もあるのです。

 

ジモティーが取り組むオフィス家具のリユース

個人だけでなく、実は法人においても、オフィス移転や減価償却時期の到来に伴い、まだ利用できるにも関わらず廃棄処分されてしまうオフィス家具や事務用品、専門機器などが多く存在しており、廃棄費用がかかることが課題となっています。まだリユースできるにも関わらず廃棄が予定されているというのは何とも勿体ない話。そこでジモティーでは、そのようなオフィス家具等を出品することで、廃棄コストを削減し収益化させるだけでなく、地域内でのリユースを促進する取り組みに乗り出しました。

ジモティーでは、企業が抱える不用品を地域の人に簡単に譲渡できる取り組みを通して、リユース促進を強化していく方針。

 

地域の人同士で補い合える仕組みが社会を変える

ジモティーの最大の強みは、「地域密着型」であること。

限りある資源を大切に使い、環境への負荷を少なくする循環型社会を目指すためにも、リユースビジネスはますます市場拡大していくでしょう。

環境省による「データで見る消費者とリユース」の調査結果によれば、「携帯電話・スマートフォン」「カメラ・周辺機器」は約80%、書籍は 62.3%、「衣類・服飾品(ブランド品を除く)」は 54.6%が自宅で保管されているのだそう。このことを考えるとリユース業界の今後は未知数であり、市場拡大の余地があると言えます。

出典:環境省「データで見る消費者とリユース」

しかし、単にリユース促進を進めるだけでなく、生活の中で生まれる問題を地域の人同士で補い合える仕組みを作ることができれば、人と人との新たなつながりが生まれ、私たちを取り巻く環境は大きく変わっていくはずです。個人同士のやり取りに限定せず、地域の企業や社会福祉協議会などと提携したさまざまな取り組みを行うジモティーのビジネスモデルは、日本が抱えるさまざまな問題を解決に導く可能性を秘めているのではないでしょうか。