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「サステナブルな社会」の実現の柱となるサーキュラーエコノミーとは?

国際連合が2015年に採択したSDGsの達成に向けて、世界中で「サステナブルな」社会の実現への取り組みが加速しています。

サステナブルな社会への潮流のなかで、限界を迎えつつある大量生産・大量消費経済から、循環型経済を意味するサーキュラーエコノミーが注目されています。

そこで今回は、サステナブルな社会とは何かに触れながら、サーキュラーエコノミーの重要性について考えていきます。

 

そもそもサステナブルとは、どのような意味を持つのか。

サステナブル(Sustainable)は「持続可能な」という意味を持ちます。造語ではなくもともとある英単語ですが、分解すると、sustain(持続する)とable(〜できる)からできた言葉です。

この言葉が使われ始めた経緯は、1987年国連の「環境と開発に関する委員会」の報告書からです。

その後、2015年9月の国連サミットで193の国の首脳の参加のもと、全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられたのが、SDGsでした。

現在世界の共通の目標として、多くの国や企業が「サステナブルな社会」の実現のための取り組みを始めています。

SDGsとの関係

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、Sustainable Development Goalsの略称で、SDGsは、達成すべき17の目標(ゴール)を掲げ、2030年までに「持続可能でよりよい世界」を目指す国際目標のことです。

SDGsの「持続可能な」の部分が、まさにサステナブルと符合します。

多くの国や企業がSDGsに向かって取り組むことで持続的な発展を目指す取り組みこそ、サステナブルな社会へのアプローチとイコールなのです。

 

世界が目指すサステナブルな社会とは、どのようなものか?

実際、気候変動により自然災害が多発化し、世界中で甚大な被害が発生しています。一度自然災害に見舞われると、生活基盤や経済活動にも影響します。

また、環境問題や貧困問題、経済格差などの課題が積み重なる中、世界人口は増加しており、限りある資源をどう持続可能にするかが焦点になるなど、今まで通りが通用しない時代にあるといえます。

私たちは経済や社会のあり方を考えなおす時期に来ています。官民の区別なく、皆が協力して、サステナブルな社会をつくる努力なくしては、人々が平和に豊かに暮らせる未来は実現できないのが現実です。

サステナブルな社会の実現への代表的な取り組みの一つがサーキュラーエコノミーです。

次の項では、サーキュラーエコノミーについて解説していきます。

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミーは、資源を循環させることを基本概念とし、製品作りの段階から廃棄物や汚染を生み出さないことを前提とする「廃棄ゼロ」を目指すための経済の仕組みのことです。

次の項では「サーキュラーエコノミーの三原則」を元にもっと詳しく見ていきましょう。

サーキュラーエコノミーの3原則

サーキュラーエコノミーを推進する団体として有名なエレンマッカーサー財団が「サーキュラーエコノミーの3原則」を提唱しています。

サーキュラーエコノミーの3原則

・廃棄物と汚染を生み出さないデザイン(設計)を行う

・製品と原料を使い続ける

・自然システムを再生する

この3原則を実現するための循環の仕方を図式化したものが「バタフライ・ダイアグラム」という概念図です。

以下の図は、世界経済フォーラム(WEF)により2014年に発行されたレポートの中にある「バタフライ・ダイアグラム」を引用したものです。

画像引用:Towards the circular economy: Accelerating the scale-up across global supply chains

 

「バタフライ・ダイアグラム」は左右に二つの循環が広がっている特徴があります。

図の右側が「技術的サイクル」で石油や石炭、金属、鉱物などの「枯渇資源」を循環する場合を表し、図の左側が「生物的サイクル」で動物や植物、魚などの「再生可能資源」を循環させる場合を表しています。

この左右の循環が円の中心に近いほど、環境負荷が抑えられる仕組みになっています。資源の性質に合わせてそれぞれの循環を進める必要があるため、蝶のような左右二つの羽を広げたような図式となっています。

産業革命以降の資本主義経済の潮流から経済システムは、大量生産・大量消費を生み出すリニアエコノミーの上で成り立っていました。

リニアエコノミーは、製品を作り、販売し、使い終わったら廃棄する一方通行の「直線型経済システム」といわれています。

対して、サーキュラーエコノミーは、「バタフライ・ダイアグラム」でも分かるように、製品・部品・資源を最大限に活用する「循環型経済システム」のため、サステナブルな社会の実現と相性のいいビジネスモデルといえます。

また、経済産業省の『循環経済ビジョン2020(概要)』においても、「線型経済モデルの限界」「市場・社会からの環境配慮要請の高まり」という背景を指摘しています。
参考:経済産業省|循環経済ビジョン2020

https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200522004/20200522004-1.pdf

 

まさに現代は、循環性の高い経済システムへの転換期といえるでしょう。

 

サーキュラーエコノミーの重要性

なぜ今、サーキュラーエコノミーが必要なのでしょうか?

世界的な人口増加や資源の枯渇、環境破壊などの問題は深刻化しています。

エコロジカルフットプリントという、人間の活動において、地球環境に掛けている負荷の大きさを図る指標があります。

WWF(世界自然保護基金)によると、世界全体のエコロジカル・フットプリントは地球1.6個分という結果が出ています。ちなみに、日本では、5.0gha/人で、地球2.9個分必要といわれています。

参考:WWF|日本のエコロジカル・フットプリント

https://www.wwf.or.jp/activities/lib/lpr/20180825_lpr_2017jpn.pdf

つまり、私たちが今と同じ生活を送った場合、地球一つでは足りないのです。今ある資源を環境容量の範囲内で環境負荷に配慮したサーキュラーエコノミーは、私たちが持続可能な社会の実現するためには重要な経済システムといえるでしょう。

 

サステナブルな社会のために、経済システムはサーキュラーエコノミーへ

サステナブルな社会の実現に向けて、すでに多くの企業ではサーキュラーエコノミーへ舵を切っています。

例えば、アメリカのテラサイクル社では「LOOP」というサービスで、食料品や日用品などを入れるプラスチック容器など、これまで使い捨てられていた容器ボトルを再利用可能なものに置き換える循環型ショッピングプラットフォームを運用しています。

また、日本では、カネカと資生堂が環境に優しい生分解性の化粧品容器の共同開発を行なっています。この共同開発で、カネカ独自素材である100%植物由来の海水中で高い生分解性を持つ「カネカ生分解性ポリマーGreen Planet™」の化粧品容器への活用を目指しています。

国内外で盛り上がりをみせるサーキュラーエコノミーの動向が、将来の地球環境のあり方や私たちの生活にも影響すると考えると、国や企業だけの話題ではなく、私たち個人にもより興味深いワードであることは間違いないでしょう。

 

環境と人 編集部

このメディアは、「ごみ問題を解決する」ことを目的として、サステナブルな社会と、自然と調和したライフスタイルに関する情報を発信しています。
普段あまり目にすることのない「リサイクル・廃棄物産業側の視点」から、環境と社会に関する深い理解を提供していきます。

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