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結婚式・ドレス…「エシカル」なウェディングの形

「エシカル」「サステナビリティ」という言葉が広がる現代で、結婚・ウェディングにも、その余波が見られることをご存知でしょうか?近年は「エシカルウェディング」という言葉が生まれ、地球を大切にする気持ちを持って結婚を祝福するスタイルが確立されています。

 

さて、「エシカル」「サステナビリティ」な結婚…と言っても、結婚が環境を脅かしているというイメージはあんまり持っていないと思います。一体、どのような視点から環境問題と向き合うのでしょうか。今回の記事では結婚と環境の繋がり、そしてその問題を解決するための新時代ウェディングの形に迫りたいと思います。

 

結婚を「エシカル」に!でも、そもそも結婚って環境問題と関係あるの?

愛する二人の明るい未来を祝福する結婚式。その温かい空気感から、環境問題との繋がりは見えません。ですが、少し視野を広げると様々なことに気付かされます。

 

招待状を手に向かった友人の結婚式。新郎・新婦が着るタキシードやウェディングドレスは美しく、宝石・ジュエリーなどのアクセサリーも目に留まります。多くの方にとって一生に一度の式ですから、美しい装いで素敵な時を過ごしていただきたい物です。

 

結婚披露宴では、ゲストの方々へお食事のご案内も。テーブルの上には、綺麗に並べられたカトラリー、一人ひとりの席に名前の刻印されたカードが置かれています。ハレの日の式典の中でいただくお食事は思い出に残る物。お料理からデザート、そしてウェディングケーキまで。一流のシェフが作る逸品に舌鼓を打ちます。

 

さて、フィナーレを終えて晴々とした気持ちで式場を後にします。出口では、新郎新婦や家族の方々へのご挨拶。その場で、引き出物をいただくこともあるでしょう。

 

このように、とある結婚式を想定して、流れを振り返ってみました。思えば、数々の「物」が結婚式を彩っているのです。「結婚式」と一言で言っても、その背景には多くの生産・消費が含まれているのですね。

 

さて、先程のとある結婚式をもう一度読み解きましょう。タキシード、ウェディングドレスなどの「衣装」、そして「アクセサリー」。ゲストの方々をご案内するカードなどの「紙」。そして、「お食事」。式の終わりには、「引き出物」を渡します。この他、式場を彩る「お花」なども挙げられると思います。本当に様々な「物」が関わっているのですね。

 

さて、意外にも環境問題との繋がりがある雰囲気を漂わせている「結婚」というテーマ。今、世界ではこの「結婚」を巡りどのような取り組みが成されているのでしょうか。少しずつ、読みといてみましょう。

 

「エシカル」な視点で組み立てられる「結婚式」の形

先程取り上げた結婚式の一例に沿って、「衣装」「アクセサリー」「紙」「お食事」「引き出物」「お花」という6種に絞ってご紹介します。

衣装…タキシード、ウエディングドレスに見る「エシカル」

ウェディングドレスに見る「エシカル」。それは、オーガニック素材を扱ったドレスが代表的です。オーガニックとは日本語で言うと「有機」という言葉に置き換えられます。ですが、この「有機」という書き方ではイマイチ意味が伝わりづらいですよね。

 

有機と無機という言葉の違いを明確に書き記すことは専門家でも難しいといいます。そのため、ここではあくまで一般的に理解しやすい尺度での説明に留めます。簡単に言えば、

 

「機能が有る」=「生きている感じがある」

 

という意味で捉えて問題ありません。この「活きている感じがある」ことがオーガニックの根本なのです。

 

さて、言葉の意味を確認した所で、オーガニック素材を使ったドレスとは。それは、化学繊維を使用しない、土に還せる素材で作ったドレスです。ウェディングドレスは着る機会の限られる物ですから、万が一式の度に生産が続けばそれだけ多くの消費と廃棄が続くことになります。環境への負担を軽減するために、オーガニック素材を使用したドレスは大きな効果をもたらすと言えるでしょう。

 

このように結婚式の衣装を通して「エシカル」な消費が推進されているのですが、もう一つ注目すべき点があります。

多くの場合、ウエディングドレスは購入するのではなく、レンタルを利用すると思います。「当たり前」のように感じられますが、このレンタル制にしてみんなで使おうという考え方もまた「エシカル」への一歩なのです。こうして、自然と当たり前になっている…ということは、一つの理想の形でもあります。

とはいえ、実際は何十年も前にデザインされたドレスを高級で貸し出すなど利益を追究する企業があるのも事実です。オーガニック素材を採用したり、大量廃棄のことを考えた取り組みであるのか、ご自身の目で確認しながら選ぶことをおすすめします。

 

アクセサリー…アクセサリー、指輪に見る「エシカル」

結婚する二人を彩るアクセサリーにも「エシカル」の視点を。アクセサリーには、しばしばダイヤモンドに代表される宝石が使用されます。この宝石は、どこから採られた物を使用しているのか…そんな生産と消費の裏側に思いを馳せたことはありますか?…恐らくそのような機会は少ないと思います。

 

「エシカル」を謳う式で活用を勧められるのは、「コンフリクト・フリー」のジュエリーです。「コンフリクト」は「紛争」の意。紛争が続くアフリカの地域で採れる宝石を使用すると、その収益が紛争のための財源として使われてしまいます。そうした紛争地域の宝石じゃない物を進んで購入することで、平和に貢献するという意思表示をすることができます。環境問題とは少し視点が違いますが、「人」を大切にするという視点からこれも「エシカル」な消費と言えます。

紙…招待状、メッセージカードに見る「エシカル」

結婚式に限らず、紙の資料は計画立てて用意しなければ際限なく使用してしまいます。ご案内するに当たって紙を使わないということは恐らく不可能ですので、その向き合い方が重要になります。

 

ペーパーアイテムを使用する際はぜひ再生紙から作られた物を優先的に。招待状、席次表からメッセージカードまで、様々な場面で再生紙を使い環境に優しい結婚式作りを進めてみましょう。実はこの再生紙使用は、環境への配慮という利点だけじゃなくあたたかみのある装いを演出できるという利点もあります。再生紙の紙のあたたかさを、「ならでは」の強みとして活用してみましょう。

 

また、フェアトレードで購入できる紙を使用するなど発展途上国の問題解決に繋がる消費もおすすめです。ぜひ、あなたに合った選択を。

 

お食事…ゲストへのお食事のご案内、ウェディングケーキに見る「エシカル」

披露宴でご案内するお食事には、「ドレス」の所でもご紹介した「オーガニック」を採用してみてはいかがでしょうか。オーガニック食品は「無農薬」食品と言い換えればより分かりやすいでしょう。環境に優しく、身体にもいいので安心です。

 

また、式場のある地域の食品を採用することが「エシカル」に繋がるという考え方もあります。なぜ近隣地域の食品を使うことが勧められるのでしょうか。それは、「フードマイレージ」という考え方が関係しています。

 

野菜・お肉・お魚…どの食材も、生産地から運ぶ必要があります。生産地からの距離が離れていればその分だけ輸送に掛かるエネルギーも増えるのです。

 

一見関係のないように見える「距離」も、こんな背景で繋がっているのです。

 

引き出物…式の終わりに渡す贈り物に見る「エシカル」

式の終わりに受け取ることのある引き出物。この贈り物にも「エシカル」な視点が隠されています。先に挙げた「フェアトレード」の商品を選ぶことが、挙げられるでしょう。

 

さて、そもそも「フェアトレード」とは一体何なのでしょうか。直訳すると「公平な貿易」という言葉になります。逆算すると、「不公平な貿易」が存在することになりますね。

 

開発途上国との貿易の際は、先進国の価値観だけで取引を成立させると、不公平が生じてしまうことがあります。お互いの国の生産力や労働力を踏まえて、適正な価格を設定することが「フェアトレード」の第一歩。この貿易を通して手に入る物を選んで消費することは、地球規模での「持続可能」を実現することに繋がるのです。

 

さて、ここまで架空の結婚式を想定して、どのような消費を選ぶのが効果的かをご紹介しました。最後に、そもそも「結婚」と「環境問題」を結び付けること自体が価値あること…そんなメッセージを送りたいと思います。

 

結婚式を通して、幸せを共有する

オーガニック素材を優先して使う、フェアトレード商品を優先して消費するなど、「エシカル」視点での結婚式を行う方法、その意義についてご紹介しました。

 

しかし、もう一つ忘れてはならないことがあります。結婚式がそもそもどういった場所であるか…ということです。それは幸せを共有し、思い出に残す場であるということ。「エシカル」を形だけ実現するのではなく、この幸せな時間を過ごしている間に世界の誰かも幸せに近付いていると実感できることが大切なのです。

 

幸せを分かち合うをテーマに自分にできることから少しずつスタートを。ぜひ、試してみてください。

 

環境と人 編集部

このメディアは、「ごみ問題を解決する」ことを目的として、サステナブルな社会と、自然と調和したライフスタイルに関する情報を発信しています。
普段あまり目にすることのない「リサイクル・廃棄物産業側の視点」から、環境と社会に関する深い理解を提供していきます。

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