環境と人について

【動画】⽬指すのは「企業との調和ある発展」。新井遼⼀が企業に伝えたいこととは

資源リスクにどう立ち向かうか

「環境と人」というメディアを立ち上げたのは、我々の出したごみというものが、その先どのように処理され、リサイクルされているのかを多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。

ごみを出したらいつの間にか回収されていて、清潔な空間で日々生活していると、ついなんとかなっていると思ってしまうんですが、実はその裏であまりに多くのモノが毎日、無駄に大量に廃棄処理されています。この事実を、私もこの廃棄物処理という業界に入り実際に現場を目にして知りましたし、これは持続可能ではないと思いました。

なぜなら、日本という国は石油や金属、食品など多くの資源を輸入に頼っています。島国であるため、必要な電力は自らつくらなくてはなりません。資源の海外依存というのは有事の際、極めて大きなリスクであるにもかかわらず、これらの多くを使い捨てて焼却し、埋め立ててしまっています。

世界的な人口増加と経済発展により、鉱物を中心とした資源の希少性はますます高くなっていくと言われています。日本は本来、国力や防衛という観点でも循環型社会のモデルとならなければならないのに、世界ではむしろ環境後進国というイメージがついてしまっています。

世界トップクラスのインフラをフル活用する

そういった課題がある一方で、ごみのうちかなりの部分はこの業界によって循環させられているという側面もあります。本当にどうしようもないごみを何とかリサイクルできないか、ということを試行錯誤してきた歴史があり、こと後始末という点に関しては世界でもトップクラスの技術や仕組みを持っていると思います。

問題は、ものづくりの時点で廃棄・リサイクルのことまで考えられていないという点なのです。大量廃棄の原因の多くは、便利さを追求した高機能な複合素材や製品だったり、在庫を切らさないようにと大量生産する製造・販売側の都合が大きいのです。もちろんそれが必要な場合もあります。例えば、新型コロナウィルスのワクチンを大量に作って余らせてしまうのは、仕方がないといえるでしょう。

しかしそれでも、廃棄する際のことまで考えた「循環型のものづくり」という考え方は広まっていくべきだと考えています。それも最新の技術・設備でなら処理可能という話ではなく、それが全国で販売されたとき、一般的なリサイクル施設の設備でも処理できるというものでなければ意味がありません。

仕組みを知ることで本当の環境負荷が見えてくる

それには、ごみを出した先を知ること、どこがリサイクルしているのか、リサイクルできるもの、できないものの差はなんなのか、という仕組みを知ることで、身の回りの製品やサービスにおける本当の環境負荷が見えてきます。

例えばごみの焼却というのは近年、リサイクル率のCO2排出の観点で悪者にされがちですが、混じってしまってどうしても燃やさざるを得ないごみというものが実際にあるということや、せめてそのエネルギーを有効活用するサーマルリカバリーという技術があるということなどは、普通は業界に入らないとなかなかわからない情報です。

「環境と人」では、廃棄物処理やリサイクルという静脈産業にスポットを当て、もの作りと捨てることの間を繋ぐことで、循環型の考え方、循環思考を広めていきます。その根底には世界的な資源枯渇のリスクがあり、環境のために人が動くのではなく、人の幸せを実現するために環境を活かす、環境と人のより良い関係を築くべきという考え方があります。

ぜひご覧になってみてください。

プレスキット

Corporate Logo

Download